私のフィルムはモノクロのサイレント。
色のない世界。音のない世界。それが私の世界。
ダレカ・・・タスケテヨ・・・
私の声は誰にも聞こえない。それが私の世界
キコエテルヨ・・・
え?
確かに声がする。最初は小さく、そしてだんだん大きく。
トーキーになったフィルムが 色鮮やかにあなたを映す。
名前:朝比奈京子(あさひな きょうこ)
年齢:21歳
誕生日:1982年2月5日
CV:能登麻美子

札幌市在住の北海道大学生。北見市出身。学部学科不詳。
年齢的に言うと早生まれで4回生のはずだが、就職のことなんか委細気にしてないところを見ると、一浪の3回生くらいか。
同大のシネマ研究部に所属、自主映画を撮るのが趣味、というよりも肉体の90%くらいが映画で構成されている人。
映像作家としてはまぎれもなく天才。映像センスだけでなく、予算やスケジュールといった、現実的な部分の処理もちゃんとできる逸材のようである。将来は、その才にふさわしいステージに上り詰めるのが夢である。
だが、そういった天才にありがちな欠点、ゴーインにマイウェイな部分までしっかりと兼ね備えていたため、部内では完全に孤立、結局自分一人でできる作品を造り続けるしかなかった。だが、それはけして彼女の本意ではなかった。
そんな彼女に、転機が訪れる。それはいつものようにひとりぼっちで回していたファインダーの中に入ってきた、一人の旅行者の青年だった。

裏づけや根拠のない事は一切認めない冷徹で理知的な部分と、意地っ張りで強がり・オマケに悪戯好きの子供っぽい部分が同居している。
夏編冒頭あたりでは相当に情緒不安定気味だが、シナリオが進むにつれて剣が取れてくる。夏編終盤から冬編あたりが本来のキャラクターだろう。

異性関係に関しては、妙に大人ぶった態度を取るが、実際は相当にウブ。恋愛経験もなさそうな感じである。

なお、『天はニ物を与えず』という諺の典型例にして壮絶なまでのサボテン女。家事は苦手、というよりも夏時点ではそもそもそういう概念が世界観に存在するかどうかすら怪しい。
冬では多少、世界観の転換があったようではあるが。


Keywords

シネ研部長

北大シネマ研究会の部長で、いかにも気弱そうな男。
京子を呼び捨てにしてしょっちゅう怒られる。リーダーシップがあるから選ばれたというよりは、典型的な『面倒ごとを押し付けられた』タイプの部長のようである。京子に気があったらしい。
そこで撮影旅行に付いてきゃ見事ハートをゲットできたかもなのに。結局その優柔不断さで、トンビにアブラゲをさらわれるハメになる。

シネ研部員

夏編冒頭のテレビ塔で、根拠のない演出プランを語って、見事に京子にやり込められる。
その後も、京子の機材持ち出しに意義を申し立てているところをみると、これが次回作の監督なのだろう。

京子の両親

現在は外国住まい。
北見の実家も処分、ということはほぼ行った先に夫婦永住ということか。そのへんや京子の育ち方からすると、かなり文化的で自由な雰囲気の家庭だったと思われる。
また、京子が金銭的に苦労している様子がないところを見ると社会的地位はそれなりに高いとみるべきだろう。医者か大学教授といったところか。
父親も映画好きで、幼い京子をよく映画館に連れていき、自身でも趣味で8ミリカメラを回していたりしていたようである。
ひょっとすると、挫折した映画青年だったのかもしれない。

森永冬真(もりなが とうま)

CV:皆川純子
主人公の高校時代からの親友で札幌在住。
線の細い美少年で高校時代はたいそうモテたらしい。にも関わらず意外と恋愛観はストイックで男っぽい。
画家である母と二人暮し。

ということになってる・・・・・このシナリオでは。

ツンケン女

シナリオ冒頭で冬真と観光しながらTV塔で京子に遭遇した場合の、冬真のセリフ。
初っ端から京子は立つ瀬を根こそぎ奪われる。

時計台

札幌市内の中心部にある観光スポットで、日本3大がっかりのひとつ。
明治時代に札幌農学校の演武場として完成し、その後いろいろあって現在に至る。
テレビ塔のツンケン女との正式な出会いの地。

ビデオカメラ

時計台で主人公に助けられた際に大破する。デザインからすると業務用のデジカムで最低でも40万はしそうなシロモノ。
「助けるならもっと完璧にやってよね!」と絶叫する京子さんの気持ちもわかろうというものだ。修理に出ていて空巣の被害からは免れたはずである。

ブルー・ローズ

英語で『不可能な事』という意味。
バラは元来、青い色素を作る遺伝子を持っておらず、自然には絶対に存在し得ない。
ただし世界中で「夢の花」としての研究はされている。
たとえばサントリーの研究所では青い色素を発色させる遺伝子を組み込む所までは成功している。ただ、本来バラが持っている赤の発色を抑制できないため『紫のバラ』になってしまうらしい。
だが、実現に向かっての努力は日々続けられており、いつの日か『青いバラ』はけして夢や幻ではなくなるだろう。

シナリオ序盤のちざきバラ園で語られる、京子の夢に賭ける情熱を象徴するキーワードである。
→2004年6月に、サントリーの研究所で開発に成功したとの発表がありました。(Up 2004.6.30)

シネ研

京子が所属する北大・シネマ研究会。
映画製作をメインの活動にしている模様、といってもどちらかというとプロ志向というよりも、全員参加、ワイワイ気分での制作がメインのようである。
そのあたりが本気上等&天才の京子とはイマイチ肌が合わなかったらしく次回作の制作で対立、京子のテンパリ&独断専行の原因となる。
なお、現行の機材その他のかなりの部分を京子が取ったアワードの賞金でまかなっていたようである。

シネ研時間

約束の時間からプラス1時間の猶予を持った待ち時間、というか遅刻の開き直り。大学のヌル目の文科系サークルだとありがちである。

撮影旅行

京子夏編の山場。
黄金岬→サロベツ原野→宗谷岬→サロマ湖→オシンコシンの滝と連日移動の死のロード。車の主人公ですら野宿しつつ移動していたのに、京子さんがどうやって移動していたのか本気で謎。
本来はシネ研総出で来る予定だったのだが、他の部員とトラブル中の京子が、半ば独断で機材を持ち出して一人で回ることとなった。

黄金岬(おうごんみさき)

留萌市。日本海に面した岬で、かつて押し寄せるニシンの群れが金色に輝いていたことから名付けられた。
夕陽が美しいスポットとして有名で、撮影旅行初日に訪れる京子の狙いもそれだったのだが、記念撮影をしている観光客に邪魔されて果たせなかった。
観光客に芸術のためにそこどけとか怒鳴る、たいがいな京子姐さんのお姿が凛々しい。

カレイドスコープ

京子が開いているWebサイト、というよりは単なる連絡帳である。
ほんとうに見て欲しかったのは、たぶんたった一人だけだったろうけど。

白石満(しらいしみつる)

主人公の北見の友人で、北見駅の待ち合わせ行くためには必ず連絡を取らなくてはならない。
果鈴シナリオと京子シナリオがぶつかる形になるため、必ず約束を破ることになり、後味が非常に良くない。これは明らかにシステムの不備。

野付牛公園(のつけうしこうえん)

北見市内の公園。樹木や池に囲まれた静かな公園で、貸しボートもあるそうな。
ここで京子はすべてぶちまけ、子供のように泣きじゃくる。
そして気がつく。隣に誰かがいつもいてくれる、ということの意味を。

京子とシネ研

京子の所属していたシネ研は(夏での彼女の言をそのまま信じるなら)『皆の意見で作品の方向性を決める監督の元に人が集まる』、『全員が映画に一家言ある集団』ということのようで、早い話が『全員が監督になりたい』サークルだったようである。
無論、京子もその一人なわけだが、彼女が他の凡百の部員たちと違っていたのは、映画の完成形はもちろんの事、その手順やプランニングまでワンパッケージで構築できてしまう完全な天才型のクリエイターであることだった。
京子にとっては、最終的な終着点が見えているのにそこに向かって進まない部員たちに、苛立つことも多かったはずだ。

そのあたりの軋轢が一気に爆発したのがこの夏の制作プランであったと思われる。
冒頭のテレビ塔のロケハンで見せたような、どう考えてもまとまりそうにない映画に協力することは、耐えがたかったのではないか。自分の進むべき道がはっきりと見えている京子にとって、それはもはや無駄足にしか見えなかったのだろう。
シネ研のプランを無視して、自らの作品を撮りにでかけてしまったあたりにそのへんの心象がうかがえる。

不幸だったのは、京子が理性の部分では、他人と巧くやっていくことの大切さや、自分が自惚れやでわがままであることをちゃんと理解できていた、という事だろう。
結果、もたらされたのは、苛立つ感情を制御できずに当り散らし、そして自己嫌悪に苛まれ、それでまた感情を爆発させ、そしてまた後悔する、というスパイラルであった。最終的に彼女は、周りの他人を全て拒絶することでかろうじて精神の安定を保つというところまで追い詰められてしまっていた。

結局、彼女を救ったのは、黙って見守り、全てを受け止め、そして自分は一人ではない、ということを思い出させることができた主人公だった。

なお、京子の名誉のために付け加えておくと、実はモノ作りは、京子タイプの強権を発動してまとめ上げるタイプの人間がいないと絶対に巧くいかない。
実際、シネ研の次回作でも最終的にまとめきれなくなった様子で、京子に泣きついてきている。
そのタイプの人間にどうやって、自分たちのプランニングを入れてもらうか、というのが実は凡人のキーポイントだったるするわけだが。

メゾン・サブリナ

札幌市の京子のマンション。
2LDKくらい。セキュリティはあまりよろしくないようで。
ちなみにサブリナとは、映画(特にアニメ)の演出技法のひとつで強い光などを表現するために、意図的に露出オーバーの真っ白なコマを挟むこと。OPアニメでも車が飛び出してくるあたりに使われている。

空巣

撮影旅行で留守中に京子の部屋に侵入、カメラ類を一切合財持ち去った。
時計台でのクラッシュといい、まさに踏んだり蹴ったりの夏だったが、まあ一生モノの優秀な撮影助手が手に入ったのだから差し引き大幅プラスだろう。

手料理

謎の機械音・3秒ルール・その他の想像を絶する工程を経て作られた、一見米飯と味噌汁に見える謎の物体。主人公に「恨みでもある?」と言わせしめる。
とりあえず他人にふるまう料理は自分で味見してから出すという習慣はつけるべきである。

トロフィー(大)

京子がプライベートフィルムで取ったもの。
協力者の得られない環境で、『役者の要らない映画』を撮っていたようなので、北海道の風景を繋いだドキュメンタリーかイメージフィルムのようなものだったと思われる。
制作状況はともかく、元々北海道そのものに魅せられている部分のある京子にとってはそれほど創るのが苦痛な作品ではなかったのではないかと思われる。
(up 2003.12.12)

柳月 大通本店(りゅうげつ おおどおりほんてん)

帯広の菓子店。
原田明理17歳がアルバイト中。京子シナリオでは夏編で釧路への道中に立ち寄ることになる。お気に入りはきなごろも。
事前に原田さんとお知り合いになっておくとなかなか楽しいことになる。ゲーム中唯一の複数ヒロイン関連イベントなので一度は見ておきたい。

なお、ここのお菓子は実は札幌でも買えたりする。

鶴巣(かくそう)

釧路湿原近くにある居酒屋。
オリジナルカクテルのダイヤモンド・ダストが飲める。

ダイヤモンド・ダスト

鶴巣のオリジナルカクテル。 ベースはウォッカとジンジャーエール。たぶんステアー。ブルキュラソーを染み込ませた角砂糖を落とす。
甘口で、また名前の通りに見た目も綺麗な女性向のカクテルのようである。

鶴巣の主人

釧路の居酒屋、鶴巣の主人で釧路駅で財布を探していたところに主人公が遭遇、その縁で店に招待されることになる。
神戸のバーテン出身。旅行者で、一緒にダイヤモンドダストを見た女性と結婚している。主人公プロトタイプがここにも。

道の駅・しらぬか恋問(みちのえき しらぬかこいとい)

夏編釧路行きの道中で立ち寄る。
相性占いの出来るソフトクリームが名物。ゲーム中で唯一ヒロインとの感情度が具体的にチェックできるイベントである。

8ミリ

空巣に入られた京子宅に唯一残されたカメラとフィルム。父親の持ち物で京子の『宝物』である。
中身は京子の幼少時の姿を映した、本人曰く『親バカ映像』。だがそれは、京子が忘れかけていた『本当にフィルムに込めるべきもの』に溢れていた。
そして夏終盤の釧路で、最後に残った生フィルムをカメラをセットした京子は、それに主人公の姿を収めるのだった。何とも彼女らしい不器用なプロポーズである。

カメラそのものは70年代に作られて大ヒットしたいわゆるシングル8タイプと思われる。

・・・・ところで映写機は?ビデオじゃないんだからカメラだけじゃどうしようもないんですが。

釧路湿原(夏)

釧路市ほか4市町村にまたがる広大な湿原。ラムサール条約による保全指定地域。
夏編の終着地。ラストのうりゃうりゃが大変可愛い。

おかえりなさい

冬の新千歳空港に降り立った主人公に京子が言った、恐らく万感の思いがこもった最初の一言。
ちゃんと「ただいま」と返す主人公が立派である。

太郎温泉(たろうおんせん)

札幌の奥座敷は定山渓にある温泉湯。癒し効果のある足湯が名物。
冬一日目で『温泉に行きたい』と言うと行ける。プレイヤーの期待を最大限に裏切る京子シナリオ最凶のトラップ(涙)。

見せたいものがある

衆人環視の中で、白濁液にまみれた京子は、その柔肌を晒すのだった。
・・・・・何か間違ってますか?

トロフィー(小)

冬編で京子の部屋にある小ぶりのトロフィー。
夏にシネ研で作った映画が取ったアワードである。京子は例によって「たいしたことはない」みたいなことを言うが、たぶん彼女にとってはどんな大きな賞よりもかけがえのない物だろう。
それにしても、あのボンクラ部員を率いて賞を取れるデキの作品を仕上げる京子の才覚には心底感服せざるを得ない。

誕生日

京子の誕生日設定は2月5日で、実は冬編の日程近辺であるにも関わらず完全にブッチ。
「プレゼントは?」
「・・・俺じゃだめ?」
「いいわよ。で、これであなたは私の所有物なんだから。もう二度と東京に帰っちゃだめよ」
「ごめんなさい。もう言いません」
「(小声で)・・・ちぇ・・」
「・・?」

こんなんありそうだが。

あなた、時々ぶつぶつ行ってるようだけど誰と話してるの?

それを言ってはいけません(その2)。

「雲があるから」(くもがあるから)

京子のカラオケレパートリー。
もろ桑田圭祐な湘南サウンド。京子のキャラクターからするとちょっと意外な感じである。微妙な歌唱力が妙に生々しい一曲。
京子さん「シネ研の水原暦」と影で呼ばれてるに10ウィズユーカード。

投げキッス

打ち返す、て。

オハギ

京子の手製バレンタイン菓子。
餡からこさえたらしい力作。意外だけど(失礼な)美味い。ただしハート型で巨大。
そのあたりの剛毅さは変わらず。

水着

実は京子さん今回数少ない水着キャラの一人。
密かにスタイルには自信があるらしい。ビキニでオトナの女をアピールしようとするもやってる事は思い切り小学生。

勝手丼

釧路市は和商市場名物。
市場内で好きな食材を買って、丼に乗っけてかっこむという趣向。
京子さんはここで『ハルマゲ丼』なるハマチ、ルイベ、マグロ、ゲソでのソレを作る。それなりに美味そうだとは思うんで、ゲソ積み重ねないで。

今度、いつ会えるかな・・・

雪の釧路港を見ながら、ぽつりと京子が呟く。
それに「ま、しょっちゅう来てもらっても負担になるしね」と受け答えしてしまう意地っ張り具合が可愛いところであるが。

釧路湿原(冬)

釧路市ほか4市町村にまたがる広大な湿原。
夏、2人が思いを分かち合った地である。
そして冬。約束どおりにもう一度やってきた思い出の地で、輝く大気に包まれ、2人のハッピーエンドへのロールは静かに回り始める。


Scenario Memo

夏編シナリオは移動距離が長く、さながらロードムーヴィ風味。道内各所を巡りながら、京子と徐々に信頼関係を築いていく感じが個人的には好感度高し。また、製作者側の心の叫びが所々に見え隠れしているようでもある。
攻略は楽な部類。基本的に携帯電話に従って進めばいいはずである。夏編は1周でCGコンプ可能。

冬編は全体的に軽目で楽しい。京子が夏編冒頭のテンパり具合が信じられないほどハジけたキャラになっているのが印象的。
なお、唯一夏編・冬編の最終地点が同一のシナリオ。
オーラスの演出の懲り方もなかなか。ところであの体勢でキスすると眼鏡がぶつかると思う。


After...

まず間違いなく10年単位で時間が経っていると思われる。
ギャルゲーの後日談スパンとしては最長の部類。まるで老けない京子姐さんが素晴らしい。
ノーコメントの人が卒業してバイオテクノロジーの研究所に勤め、長年の苦心の末に開花に成功した最初の一束を、なんてのもありかも。

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