タイトル:新聞脳の恐怖 |
作成日:2005年10月12日 |
カテゴリ:[Objection] |
コメント:2
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早急な研究を…「キレる子」と「ゲーム脳」の関係との記事が読売のWeb上に掲載された。
この記事見出しからどのような記事内容を想起するであろうか。「ゲーム脳」を何らかの科学的な研究の題目とすべし、というような提言がなされた、というように見えないだろうか。
実際の件の記事は上記のリンク先をお読みになっていただければわかると思うが、有馬元文相を座長とする「情動の科学的解明と教育等への応用に関する検討会」という文部科学省の専門部会の報告書に関する話題で、記事自体にも報告書の内容についても特筆すべき点はない。
問題なのはなんでその記事の見出しに「ゲーム脳」という単語を持ってきたのか、という一点。
この検討会の趣旨はこちらの公式サイトで述べられているように
>子どもたちの情動等に対して各学問分野でどのような研究成果があるのか明らかにし、
>その成果を活かして、従来のアプローチ(学校における指導方法の改善、カウンセラーに
>よるカウンセリングの実施等)に加えて、教師、臨床心理士又は精神科医等必要な人材の
>育成のあり方などについて検討するとともに、自然科学的な視点から、子どもたちの問題
>行動等の背景や原因を探るための研究の振興を図ることとする。
という包括的なものであって、ひとつのテーマに特化したものではない(無論、テーマの中にはゲームと子供の脳活動に関する研究も入ってはいるだろうが)。
また、検討会の委員に「ゲーム脳」の提唱者である森昭雄日大教授が参加しているわけでもない。
いやひょっとすると意見を求めたりゲストとして呼んだりするくらいはしたのかもしれないが、いずれにしろ本文には「ゲーム脳」という言葉はまったく含まれていない。
以上のようにこのニュースを記事にするにあたって、見出しに「ゲーム脳」という単語を入れ込まなくてはいけないという必然性は実は全くない。
「記事内容をわかりやすくするために人口に膾炙している単語を入れただけだ」という言い分もあるだろう。
だが、この「ゲーム脳」という言葉は、実は言ってるのが世界でたった一人だけ、しかも発表されたのが学会でもなんでもないそのへんの本屋で1000円も払わずに買える解説書だけ、しかもその内容自体が杜撰というかインチキというかトンデモな部分を専門家どころかそうでない読者からすら指摘を受けているという言葉である。
そんなネガティヴなイメージが強い、さらに(あえて言うが)インチキである可能性が今のところ強い「俗説」を、国の諮問機関が真剣に研究・検討しているように取られかねない見出しというのはかなり問題あるんじゃないのか。
特にネットニュースは見出ししか読まない、て人も多いんだから、そこにミスリードを誘発するような物言いは極力避けられるべきだと思うんだがどうだろう。
それをわざわざ狙ってるのかもしれないがな。
まあこれは明らかに担当記者の不勉強と無神経がもたらした「たまたま」なんであろうとは思うんだがね。
いずれにしろプロとしちゃあまりにも言語感覚が鈍いと思う。
いや記事の横流しとセンセーショナリズムだけを追っかけてると発症する「新聞脳」がある、とかいう話であれば非情に説得力があるけどな。
ああなるほど。
そういう事情もあるのですか。情報どもです。
担当デスクのレベルでそのへんチェックしきれなかったんですかねえ。
やっぱり呼んだことは呼んでたんですね。まあ何でも聞いておこう、てことなんだと思いますが。
ちょっとひっかかるのは、これを「ゲーム脳」推進サイドが権威付けに使いはしないか、という点ですかね。「政府お墨付き」みたいな錯誤を誘導するように名前が使われるとちょっとアレだよなあ、と思いますね。
>>担当記者の不勉強
新聞の場合、見出しは記者ではなく「整理部」が
付けます。読売は知らないけど、多分そう。
ゲームが脳へ与える影響=ゲーム脳!(・∀・)
と整理部のヒトが思ったのではないでしょうか。
あるいは取材の過程でゲーム脳の話が出て、元の記事にはそれが適切な文脈で盛り込まれていたんだけど、ゲラを回すうちに消えちゃった、とか。新聞は記者が確認しなくてもどんどんゲラが回ってしまうので、あっても不思議ではない話です。
>>3) 第3回会議:
>>(中略)
>>(2) 森 昭雄氏(日本大学文理学部教授)による発表
ってありますし。
まあでも、結果としてはミスリードを誘うダメな見出しだと思うです。