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記事No.[ 3912 ]

タイトル:謎の本「蛙記馬慧」

作成日:2006年04月01日

カテゴリ:[HeavyMoon]

コメント:6

馴染みの古本屋が店じまいをする、てんでハイエナのごとく覗きに行ってまりやした。
といっても、ちょっと出遅れちまってめぼしい物はほとんど消えてて、あとはもう高くて手の出ないもんや、ほんとにどうでもいい本ばっか。そんなんなんで、もう挨拶だけして帰ろうか、と思ったところに、その店としては珍しい和綴じの本が。何でも、旧家の書庫をさらった時に一緒に出てきたんだそうで、どうにも値段が付かずに棚にほうりっぱなしだったとのこと。よければ持って行っていいよ、との事だったんで遠慮なく(というかどうでもいい本何冊かを買ったオマケということにして)件の本を貰ってきて、早速チェックしてみた。

本は状態があんまりよくなくて、書名はかろうじて「蛙記馬慧」(なんて読むんだ?)と読める程度。中身からすると江戸末期あたりの本らしい。
かなりの部分が虫食いで、文章もかなりひどいため、自分レベルの浅学じゃ、正直解読できる部分はほとんどなかったんだけれど、とりあえずわかるところだけ読んでみると、これが結構興味深い内容。どうも有名な「耳嚢」に範を取った奇談集らしい。

ということで、当方の知識でわかった部分を訳出してみたんで、話のタネにでもしていただければと。

女の中にその気性、市中でけわしく、家内でおとなしき者あり。月の陰陽に関わるとや言いて、これを月照(つんてれ)と呼ぶも、女とはもとより、そにありけれと言ふ者もありて定まらじ。

女性で、その性格が街中では激しく、家庭内ではつつましく変わる者がいた。これを月がもたらす陰陽の気の影響と考えて月照(つんてれ)と呼んだ。しかし、女性とは元来そのようなものだと言うものもおり、ほんとうのことはわからない。

江戸八百八町のうち、七つにて衆道を禁ず。故にそを扱いし噺を八百一物と呼ぶなり。

江戸八百八町のうちで、いわゆる衆道を禁じられた町が七つだけあった。このことから、衆道を扱った物語を八百一物と呼びならわしたという。

いづくにか御髪ノ里といふ所あり。親しきもの同士が髪を結びつけて踊る「舞御髪」という慣わしあり。この時、結びたるが少なき者、舞いの中途にて髪を切られし者などはいたたまれずに去れりとか聞きたり。

どこかにかに御髪(みぐし)の里という場所があった。この里では、親しいものが同士がお互いの髪を結びつけて踊る「舞御髪」という風習があった。この時、髪を結びつける数が多い者ほど、里の中では地位が高く、反対に結び付ける者が少なかったり、途中で髪を切られてしまった者は、居づらくなっていつの間にか里から姿を消したという。

金子何某、憑物をよく使う。この者の狗神、鵜の如く飲み込み、密かに運びたり。故に寧東藍と云ふ高麗の商人により、津々浦々まで広まり、御禁書を運びたるなどをよくする。 これを忌々しく思うた野伏、耶麻荼吉尼達磨なるまじない札を小町娘描かれたる錦絵などと偽りて同じうす。ために、密書など持ち出せリ。 全ての源とて金子何某囚わるるも、操るものおらねば狗神、いよいよもってすさまじくなりき。 何某、我、縛さるる事なかりせば止めることいと容易かりし。もはや遅きこと、と嘆ぜりとか云ふ。 筋の立たぬ行ひを『鵜狗の倣い』と云ふは、この狗神の名から来たれりと聞く。

金子何某という憑物を使うのが巧みな男がいた。この者の遣う狗神は、様々なものを飲み込んでこっそりと運ぶことができるというもので、寧東藍という高麗の商人の手によって広まり、御禁制の書物を運んだりすることに使役された。 これを忌々しく思った修験者が耶麻荼吉尼達磨(やまだきにだるま)なる呪いを込めた札を「小町娘の錦絵」などと偽って同時に運ばせたため、密書などを勝手に持ち出すようになってしまった。 金子何某は全ての元凶として獄につながれたが、コントロールする者がいなくなった狗神の暴虐は増すばかりで、かえって世は大いに乱れた。 何某は「私がつかまっていなければ、式神を止めることも容易であったのに。もう止められない」と嘆いたという。 見当違いの行為を『鵜狗の倣い』(ういぬのならい)というのは、この式神の名に由来するということだ。

この頃、書付に用いられたる部録なる紙、言霊に応じてしばしば火を発し、家屋敷を失う元となる事ありければ、充分に意を留めるべしと聞く。

近頃書き物によく使われる「部録」なる紙は、言葉に込められた念に反応してしばしば燃え上がり、家財一切を失う火事になる場合があるので注意すべきだ、とのことだ。
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記事[ 謎の本「蛙記馬慧」 ]へのコメント
Cain さんのコメント April 1, 2006 10:23 PM

凝ったエイプリルフールネタ乙ですw
素晴らしい。
> 「これを月照(つんてれ)と呼ぶ」
ここ読むまで気付かなかったよ…orz
朝、東京新聞に騙された(しかも2年続いて)ばかりだったのに……
そういえば某巨大掲示板はエイプリルフール中止しますってことで投稿時の日付が3月32日になってますねw

take さんのコメント April 1, 2006 10:51 PM

恥ずかしながら、「蛙記馬慧」が読めません。
何と読ませるつもりだったのか教えてください。
かわずきまずい(買わず気まずい)?

  さんのコメント April 1, 2006 10:58 PM

>takeさま
横から失礼いたします。
「蛙記馬慧」=「あきばけい」じゃないでしょーかw

kimlla さんのコメント April 2, 2006 09:19 AM

どもです。
書名は「あきばけい」で合ってますです。はい。適当にそれらしい漢字を組んだだけですんで意味はないですがw。
エイプリルフールは毎年、当日とか前日になってから気付くんで大ネタをあんまりカませないんですよねえ。
今回のももうちょっと近世古文っぽくできたような気もするんですが。まあそれ以前にネタがアレなのは否めませんが(苦笑)。

take さんのコメント April 3, 2006 12:41 AM

>>「蛙記馬慧」=「あきばけい」じゃないでしょーかw
マジに読めませんでしたorz

kimlla さんのコメント April 4, 2006 07:52 AM

まああんまり蛙=あてゃ読みませんからねえ。私が知ったのは、某同人18禁SS小説書きさんのPNだというのは内緒です。


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