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記事No.[ 4821 ]

タイトル:インプレ:『仮面ライダー THE NEXT』

作成日:2007年10月28日

カテゴリ:[Films]

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前作から比べると上映館大幅増、らしいんだけどなぜ東北はよりによってMOVIX利府のみですかせめて長町にorz、と地元民にしかわからない嘆きを胸に秘めつつ見に行ってきた。

まず全体的な感想をひとことで述べると「カッコいいアクションとJホラーの二本立てが見られてアラおトク」というような感じ。
以下ネタバレありなの感想をずるずると。

本作の最大の美点はなんといってもアクションの格好よさ。
VFXと飛び道具びゅんびゅんの平成ライダーとは一味違った殴り合い・蹴り合い主体のバトルはやはりクるものがある。さらに殺陣の組み立てが上手く、ショッカーライダーとのオートバイ戦、トレーラー車上での対シザースジャガー戦、そしてクライマックスのレストランのトリプルライダー戦と素直に燃えられるバトルが続出なのが嬉しい。
また、サイクロンの上に仁王立ちとかクライマックスのマスクなしダブルライダーキックなんざは「これこれ!こーいうのが見たかったんだよ!」なカタルシスに溢れている。とりあえずライダー者はこれだけでも見に行く価値はアリだと思う。
で、今回のもうひとつのウリである「怪奇」はどうかというと、これはちょっとJホラー方向のステレオタイプに引っ張られすぎの感あり。まあ王道なだけに、映像的にはちゃんと恐いのでそういう意味では問題はないのだけれど、今更感が漂うのも確か。ここはもう一工夫欲しかったところ。

で、本作の最大の問題はというとやはり脚本に尽きる。
不良とか引きこもりとかアイドルファンクラブの会長とか、あんまりにもステレオタイプではっきり言ってイタいです井上先生、というようなおはさておいて、本作は前作のようなプロットの破綻はないものの、全体に説明不足・投げっぱなしの部分が(例によって)多すぎである。
中でも本作の最重要キャラクターであるはずの『Chiharu』の正体とか行動原理について台詞でも画像でも何一つ謎解きがない、てのはどうよ。いや、アレがあの事故の影響で暴走して、みたいな推測はできるんだけど、そんだけだと、最終局面でのなんであそことあそこ二箇所にいるねん、てあたりの状況の説明がつかない。
普通の都市伝説ばなしな世界ならともかく、一応ナノロボとか改造人間とか出てくるSFな世界なんだから、そこはハッタリでも何でも謎解きしなきゃいかんだろ。ラストシーンは笑うところですかアレ。

そのため、ショッカーの陰謀を仮面ライダーが阻止する、というヒーローアクションなメインプロットと、「Chjharu」を巡るJホラーなサブプロットが最後まで合流せず、二本の映画が並行して走っているような印象を与える作品になってしまっているのが本作の最大の難点。

それでもかろうじて、というか何も考えずに見てる分にそれなりに面白く見られてしまうのは、ジャンル映画のベテランであるスタッフ結集の所以ではあるのだろう。
それでも文字通り体当たりな力演をみせてくれた森”もっちー”絵梨佳を筆頭に、アクターやアクトレス諸氏がかなりがんばってるだけにこういった肝心な部分での完成度の低さは残念としか言いようがない。

あとシリーズものだから、てんで作品の基本設定のすっ飛ばしある程度しょうがないとしても一文字のリジェクションについて、何も説明がないのはいくらなんでも優しくなさすぎだろう。

そんなこんなで他に気づいたところを。
エフェクト関連は、派手な部分は少なく、基本的に裏方的な使われ方がメイン。それでも、最終決戦のショッカーのアジトのシーンの迫力は十分。キャラクターデザインにもう少し華があってもよかったかも。
いやデザイン意図はわかるしカッコいいんだけど、全キャラがくすんだ色してるもんでキャラ同士の乱闘になると、何やってんだかよくわかんないカットが散見された。V3なんかは差し色でもう少し明度の高い色を入れるべきだったかと。
あと今回よかったのは本編美術。色味、飾りつけとも作品カラーによくマッチしていた。こういうところに気を使えるようになったのはいいことだと思う。

しかしここまでオサレにアダルトな作品なのに、断末魔でヤケクソで「うわーーーーー」と武器をブンまわして突っ込んでいく、という東映怪人トラディショルな挙動を見せてくれたチェンソーリザードさんがある意味すげえと思う。個人的に殊勲賞を贈りたい所存である。

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