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記事No.[ 4326 ]

タイトル:ウルトラマンメビウス「怪獣使いの遺産」雑感

作成日:2006年11月12日

カテゴリ:[Films]

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公式(音出ます)
たぶんあっちこっちで否が多目の賛否両論が繰り広げられていそうだけど、とりあえず私的な所感などを。
まず全体的には意余って力足らず、というのがまあ正直な感想。
単一のエピソードとして見れば、それなりに面白く仕上がっているのだけれど、なんというか終始違和感を拭えなかった。
今回のエピソードはストーリーラインやテーゼとしてはむしろ、『ウルトラセブン』の未制作エピソードとして知られる『300年間の復讐』のメビウス的語り直しといった感が強い。特に怪獣ゾアムルチが純粋にビオの制御不能の憎悪の化身であるってあたりは特にそのテイストを強く感じる。
さらに今回はウルトラマンメビウス=ミライのスタンスもウルトラセブンのそれに非常に近しいものになっていたり、と、フィルムから受ける印象はむしろ第一期ウルトラに近い。
おそらくどんなディティールよりもこのいつもの「メビウス」とも、さらにはベースとなった『帰ってきたウルトラマン』とも違うこのこの「空気」が、違和感の原因のひとつなのではないかと思う。
ただし、そのために新マンではあやふやだったウルトラマンが戦う理由付けが明確化されたのは美点の一つといっていいだろう。

画的には、最初っからスタンダードを要求されないエピソードであるためか、先鋭的な部分が目立った。特にクライマックスのビオと園児、リュウとの対話シーンでウルトラマン対ゾアムルチの対戦にカメラを振らず、効果音だけで処理するという演出が台詞の応酬の重さ際立たせていたのが印象的だった。
ただ台詞回しやストーリー展開があまりにもメッセージを前面に押し出しすぎて説教臭いのはウルトラマンとしてはいかがなものかと。尺の問題もあるかとは思うがもう少しスマートに処理して欲しかった。

メッセージ性ということで言えば、よくやったというか、よくここまで踏み込んだというか。『怪獣使いと少年』ではわかる人にはわかるって程度だったネタを、賠償として領土割譲を要求してくるとか、実にわかりやすい形で顕在化させた、てのは時間帯とか放送コードとかを考えると、相当なタイトロープだったのではと思う。逆に言ってしまうと、現在の世情では隠しとおせるもんではなくなちゃった、と言うべきなのかも知れない。それがいいことなのか悪いことなのかという判断はできかねるのだけれど。

あともうひとつ、これは深読みのしすぎかもしれないけれど、今回ゾアムルチに破壊されるのが、高層ビルや工場といった「社会的」な建築物ではなく徹底して一般市民の「個人的な」住宅であるというのは、今回のエピソードの最大の敵がいわば「過去の歴史」であり、さらにその「過去」に責を負うべき人物が一切登場しないというシチュエーションに照らし合わせると、あまりにも2006年的と言うべきだろう。
この2006年的な部分をどう受け取るかが、評価のひとつの基準であろうかとも思う。

しかしゾアムルチかっこいいよなあ。マックス期からのリメイク怪獣にはいまひとつ魅力を感じないのだけど、今回のムルチのボリューム感と怪獣らしい暴れっぷりにはグっときたですよ。ソフビ出ないかなあ。

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