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記事No.[ 4217 ]

タイトル:付喪神としての日本怪獣

作成日:2006年09月07日

カテゴリ:[Films]

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【朝鮮日報】 【記者手帳】『グエムル』盗作騒ぎを無視してはならないワケ(はてなブックマーク)
斜め下方向に話題になっちゃってる『グムエル 〜漢江の怪物〜』ばなしの記事。
と言いつつも映画に関しては未見なのでコメントする立場にないんだけど、ちょっと興味深かった指摘

日本は名実共に怪物デザインの世界最強国だ。妖怪文化の伝統を持つ日本は、既に1950年から半世紀以上に渡り、爬虫類・両生類・鳥類などほとんどすべての動物をモチーフに、数千匹以上の怪物を作り出してきた。

自サイト内コンテンツで恐縮なのだけど、全怪獣怪人リストの現在の登録レコード数が約8200で、これにロボットアニメのやられメカやマンガなんかののオリジナルを加えると、おそらく現時点で日本人の手になるモンスターはゆうに1万を越え、ヘタをすると2万種類に達するのではないかと思われる。いやまったく、妙なところで大国っぷりを発揮してるもんである。

それはともかく日本製のモンスターがかくもバリエーションを持ちえた理由はに関してはちょいと認識が不足していると思う。本邦のモンスターの他国、ことにハリウッド製のそれとの決定的な差異は何かというと、無機物の属性を積極的に取り込んでいるという一点にある。
基本的にハリウッドのモンスター/クリーチャーとうのは自然の生物の延長線上にある存在であって、どんなに恐ろしげな姿を持とうが、「生物」としての域を越えるものではない。
上記でハリウッド唯一の成功例として挙げられているエイリアンであっても、その能力は強靭な体躯や強酸性の体液、そして人間を苗床に無限に増殖していくという既存の生物のそれを拡大していったものに過ぎない。
それに対し、日本の怪獣の代表格であるゴジラは恐竜の一族であるという実在生物の属性を持ちながら、その口から破壊光線を放射し、背びれを青白く発光させるという、きわめてメカニカルな特徴を備えている。
ローランド・エメリッヒによるトライスター版のゴジラは、出自は日本のゴジラと同様ながら日本製ゴジラの上記の特色をオミットし、代替としてエイリアンと同趣向の無限増殖という生物的な機能を付加している。
このことの是非はあえて問わないけれども、アメリカ映画における「モンスター」というものの位置付けを実によく象徴している。
翻って本邦では、鼻先にドリルをくっつけた怪魚やら手が回転ドリルになっている昆虫やら、さらには鍋釜やプレゼントの箱やら処方箋やらまでが怪物となって市井の人々に襲い掛かる。そこには全くもって生物としての属性に対するこだわりがない。このことがモンスターのバリエーションに及ぼした影響は大きい。

こういった日本モンスター大国の直接の礎を築いた功労者としては、前衛彫刻という無機物の方法論を怪獣デザインに持ち込んだ成田亨、そして奔放なイマジネーションを惜しげもなく70年代の怪人デザインに投入した石ノ森章太郎両氏を上げられようが、その後背には、「あらゆる物体が生命や意志を持ちうる」という、日本土着のアミニズム文化があるように思える。よく考えたら子供の一番のヒーローだってアンパンだしなあ。
このへん不勉強であんまりつっこめないんだけれど、機会があったらちゃんと論考して見たい部分ではある。

ゴジラの英文表記には「神」を意識させる「God」の文字が意図的に織り込まれているが、それは案外不遜ではないのかもしれない、などと思う。

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