タイトル:インプレ:仮面ライダーカブト劇場版 GOD SPEED LOVE |
作成日:2006年08月05日 |
カテゴリ:[Films] |
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えーとまあ、一言でいうと身の丈に合った脚本にしようよという一本。
仮面ライダー35周年という鳴り物入りで公開されたヒーロータイム映画。ストーリーはTV版とはパラレルワールド、ではあるのだけれどファイズではなく龍騎なパラレルであるのがキモ。
というような作品ではあるのだけれど、個人的な評価はというと、これまでのライダー映画中最低、という残念なことになってしまった。
以下インプレをば。
まず、素直な感想としては、見終わった後に何も印象に残らなかった。
各シーン毎には、かなり凝った演出がなされていて、役者陣もいい仕事をしていると思う。「おっ」と思ったカットもいくつかある。けれど、全部を通してみると「これだ」というものが何もない。ものすごくわたわたと展開するストーリーの中をやたらとテンションの高い登場人物がずーっと何事か叫んでいるような感じというか、登場人物全部にきっちり見せ場があるのはいいんだけれど、逆に見せ場を作りすぎていて、そのためか間の「繋ぎ」みたいな部分をかなりかっ飛ばしていているような、そんな印象。
この、ゴチャゴチャした状況説明を抜きにして勢いで引っ張るみたいなやり方自体は間違ってるとは思わない(何だかんだ言ってもヒーロー映画なんだし)のだけど、問題は抜いちゃいかんとこまで抜いちゃってること。
まず第一ストーリー上のキーポイントであるはずの『滅亡に瀕した地球のヤバさ』が画面上でまるで表現されていないこと。
たとえば海が干上がってエラいことになってるはずの世界で何であんなにコジャれたレストランが営業できてるのか、ていうか街の通りとかいったいどうなっているのか。その辺の具体描写にいまひとつ欠けている。もちろんディティールをよく見れば、色々と類推できることはあるのだけど、そういう見方をこの映画で要求する、てのはちょっと違うんじゃないかなあ、と思う。
別に大掛かりなことを組まなくても、病院の屋上のカットに一枚マット画をはめ込むだけでもずいぶん違ってきたはずなんだけど。
次に、これもプロットの大きな要であるはずのワームの脅威の描写が不十分。そのため、オーラスの謎解きが「はぁ?」になってしまって、ちっとも盛り上がらない。
さらに言えば、この世界でのZECTがどんな存在なのか、という部分も一切描かれないため、ネオZECTの存在意義というか、そもそもこいつらが何にレジスタンスしてるのかが不明。
だが、これらよりも大きな問題が、主役の天道の心情変化の描写が不十分なこと。映画版の天道は、テレビ版よりも二面性の強い面白いキャラクターなのだけど、この二面の中間描写がないというか、いつもの「おばあちゃんが」キャラからいきなりひより萌えキャラにスイッチしてしまうため、見てるほうはものすごく混乱する。中の人の演技にやたらと気合が入っているのもこれに拍車をかける。
こういったことが相まった結果、日下部ひよりをめぐるドラマと「天の梯子」を巡る物語の間が繋がらず、違う2本の映画を同じ登場人物が同時に演じてるような感じを受けてしまう作品になってしまっている。
方向性は悪くなかっただけに、このあたりの杜撰さ、というかおそらく予算・時間の関係でのはしょり方のマズさが惜しまれる。
さてライダー映画のもうひとつの魅力であるはずのバトルの方はどうか、というと実はこっちも今ひとつ。まずライダーごとの能力の差別化がほとんどできておらず、バトルが起伏に乏しい。ともかくどつき合っているだけ。このあたりはヴェテランのスーツアクターの動きにかなり助けられてはいるんで、まあいいとしても、肝心のカブトがほとんどマトモに戦わない、てのはさすがに問題あるだろう。殊にクライマックスであるはずのvsコーカサス戦において、対等の条件での戦闘が1カットもないというのはどういうことなのか。それカブトとかコーカサスじゃなくてハイパーゼクターが強いだけだろ。あと、ケタロスちゅどーーーんは何かのギャグですか。ちっとも笑えませんが。
結局ライダー中で、最もヒーローらしかったのはゲストの仮面ライダーヘラクス。人間体を演じた小林且弥ともども、最も好印象を残したキャラクターであった。
エフェクトに関しては、宇宙空間のセットにフラットに照明を当てちゃう日本トクサツの伝統は健在だった、という以外にあんまり言うべきところはない。というよりも言い出すとキリがない、って方が正確だが。たぶん特撮の一番の見せ場はケタロスちゅどーーーーん。
というわけで何か見るべきトコがあんましない、て具合の作品ではあるのだけれど、それでもとりあえず勢いとテンポはあるので、観賞自体は苦痛ではない。また、撮影と色彩設計、それに個別カット自体はよくできているので、上に書いたような事を気にしなければそれなりに、少なくとも払った金の分くらいは楽しめる作品であるとは思う。
とりあえず森下千里のタイトミニスカの尻はガチだ。
ところで真剣にわからなかった謎がたったひとつ。
サソードどこに出てた?
いや真剣に気づかなかったんだけど。
※管理人のレスは遅れ気味です。どうかひとつ気長にお待ちください。