タイトル:新耳袋 現代百物語 第十夜(メディアファクトリー) |
作成日:2005年06月21日 |
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http://www.mediafactory.co.jp/cgi-bin/db_detail.cgi?id=3835(公式)
かの呉智英をこの程度で耳袋を名乗るとは何事か、と怒らせた(あいまいな記憶)怪談本シリーズも、初回(扶桑社版)刊行から実に15年、メディアファクトリーに版元を移してから10年目にしてシリーズへと区切りがつくこととなった。
トラッドというか、中岡俊哉先生が確立した「心霊科学的」な怪談と一線を画し、他人(あるいは自分の)の経験談を、わからないものはわからないまんま説明をつけずに収録するというスタイルでは、「新耳袋以前・以後」と言っていい変革を日本怪談界(なんだそれ)にもたらした、まさにエポックメイキングなシリーズといっていい。
シリーズの旧作内に記録された様々な事象の中には、すでに都市伝説の一部として日本の「闇」を駆け巡っているものもあるようだ。
(1)で紹介された「フィルムの中の子供」(日本で語られた怪談で最高に怖いものの一本)なんかは『リング』へと形を変え、ハリウッドまで進出するに至った、なんてことも言えるわけで、文化史的にはなまじっかの文芸書よりもプレゼンスの大きいコンテンツであるといえよう。
そういや今ヤンマガやってる『XXX-HOLIC』のエピソードもそんな話になってるな。
その最新作である本書は、これまでのテーマごとによる章立てを廃し、最初から最後まで一気呵成に99話を語り尽くすスタイル。シリーズの愛読者にとっては最高のサービス(=ガクブル)である「オチ」まで一気に読める。
その後に起こる(かもしれない)ナニゴトか、を含めて 夏の眠れない夜を過ごす友としてはうってつけの一冊であろう。
などと書いていたら、パソコンデスクの向こうを何かの影が音もなくよぎった(ほんとう)。ちなみに家族が旅行に出かけていて、家の中は完全に自分ひとりである。
シリーズを全巻買った特典なのかなあ。かなりイキではあるけど心臓にはかなりよくねえなあ。