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記事No.[ 347 ]

タイトル:追伸 二人の手紙物語(森雅之 バジリコ)

作成日:2004年06月20日

カテゴリ:[Biblos]

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http://www.basilico.co.jp/publishing/901784-37-4.html(公式)
1988年から89年という元号の変り目に雑誌に発表されたタイトルどおり『文通』をお題にした遠距離恋愛物語が、新元号も16を数えた今年に単行本化された。

作者の森雅之氏は、若いマンガ読みの人たちにどのくらい馴染みがあるかわからないのだが、70年代〜80年代のいわゆるニューウェーブにカブれた世代を独特の温かみと叙情のあるタッチで魅了した人である。
物語を手っ取り早く説明すると逆『北へ。』。
夏休みにの旅行で知り合った北海道の青年と東京の女の子が手紙・電話、そしてときどきのデートを通じて愛をはぐくんでいく、そんな話である。

ストーリー的には何か大きな事件が起こるわけでもない。東京と札幌、二つの街でのふたつの人生と気持が触れ合い、時にはぶつかり合う様子が小さなエピソードを重ねて淡々と描かれる。2人がやり取りする手紙で話が展開する、てこともあってマンガというより、も絵物語の趣が強い。
で、これがクる。じわりと。どこがどう、というのは口惜しい事に文章じゃどうやっても伝えきれそうにないので、『ヤられた』部分を引用してみる。

>「ねえ。山田君(主人公) どうしても札幌じゃなきゃだめなの?」
>「私そんなに強くも やさしくもないんだよ」
>「手紙だけじゃ ちゃんと会わなきゃ」
>「手も握れないのよ」

こういうフレーズに撃墜されちゃう人は手にとってみることをお薦めする。で、帰りの電車の中とかでは読まないことも同時に推奨。涙腺が切れてちょっと恥ずかしいことになるかもしれないから。
冒頭にわざわざ注釈を入れてあるとおり、携帯・メールが日常になった現在では固定電話と郵政省メールでの恋愛、てのは相当にオールドファッションドである。
だが、この作品は不思議と古さを感じない。
もちろん柔らかいリリカルな語り口ということもあるが、遠距離恋愛の『会いたくても会えない』もどかしさや切なさはそういったアナログなメディアを良き友とするのだと思う。
上の商品紹介を参照していただければわかると思うが、絵柄はオタ向けとは完全に違ったベクトルにあるんで、ちょっと見は馴染めないかもしれない。
基本的には『せかちゅー』ファン層あたり狙いなのかな、とも思うけど泣き系のノベルゲーを愛する人あたりも読んでけして損はしないと思う。
特に『北へ。』者は確実に泣けると思うので、ぜひに。

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